先代達の思いが原点
商品へのこだわりが
信頼に繋がる

「藤吉」という店名は、大野商店の初代創業者・大野藤吉氏から名付けたもの。創業者の商売に対する姿勢は代々語り継がれ、想いを受け継いでこの名前にしたそうだ。

「大野藤吉は、毎年北海道まで豆を買い付けにいくなど、自らの足で全ての生産地を訪問し、自身が厳選した商材のみを販売していました。そのこだわりがあったからこそ、お客様から信頼をいただくことができ、それが現在の大野商店の基礎となっています。」

▲大野商店で取り扱う厳選された豆たち。

藤吉を始めたきっかけは、長年の付き合いがある得意先から「酢」の相談を受けたことだという。

「これまで取り扱った事がない銘柄の酢を取り寄せたいという内容だったのですが、通常老舗店は慣れ親しんだ材料を使われることが多く、新鮮な依頼だった事を覚えています。その酢が本当に美味しくて。『こんなお酢が世の中にあったのか!』とびっくりしました。」

衝撃的な酢との出会いから「地域の家庭の食卓にも、美味しい調味料や食品を届けられたら面白いんじゃないか?」というアイデアが社内で持ち上がったという。

「美味しいものを食べる時って、皆自然に笑顔になりますよね。家庭の食卓に笑顔が溢れるってとても幸せなことだな、とスタッフで意見が一致して。美味しいものをより多くの食卓に届けられるお店「藤吉」の構想がスタートしました。」

数多の商品選定を行なうには、様々なルールや指標が必要となる。藤吉が思う、美味しいものの指標はどこにあるのかを教えてもらった。

「販売するものは、まずはスタッフが自信を持って美味しいと言えるものだけにしようと決めました。新しく取り扱う商品は全て試食し、スタッフの8割が賛同したものだけを販売しています。また価格や量、パッケージも含めて総合的に判断し、商品選定を行なうことにしたんです。」

同時に大野商店の先代達に習い、商品作りに関わっている方に会って直接話をすることも怠らない。

「お会いして商品に対する思いを直接聞くことで、いつも新しい発見がありますね。お客様への説明も、より心を込めてできるようになることを実感しています。」

2012年、「藤吉」は国内外の美味しいものだけを集めたフードセレクトショップとしてスタートしたが、独自のスタンスで選んだ商品群は、当初富山県ではあまり例のないものだった。

▲製菓材料、調味料、飲み物、お菓子まで全てこだわりが詰まった商品が並んだ

「開店当初は『美味しいけど、高いね』『もっとスーパーみたいにならないと潰れてしまうよ』といった厳しいご意見も多くいただきました。美味しいものには理由があり、食材や製造方法にこだわっているため、大手メーカーの品物に比べて値段は高めになってしまいます。」

自然食品や健康食品の店と間違われることも多く、お店が大事にしている思いを伝え、地域に受け入れられるまでには長く時間がかかった。それでもオープン時からずっと、ただひたすら、美味しいものだけを集めて販売することを続けたことで、徐々に支持を得られるようになったという。

「商品選定のスタンスを変えず、何百商品も試食し、生産者の方にも会いに行き続けて。いつからか『藤吉の商品はどれも美味しいから安心』『人に贈るものも、買いたい店』といった声がお客様から多くいただけるようになって。口コミでいろんな方に来ていただけるようにもなりました。」

代々大切にしてきた、「お客様との信頼関係」。それをつくるための「商品へのこだわり」を守り続けたことが今に繋がっている。

商品の魅力を
もっと伝えたい
藤吉の新たなチャレンジ

藤吉はSOGAWA BASEに出店するにあたり、大胆なリニューアルを行った。

▲藤吉魚津店では、開放的な空間にたくさんの食品が並んでいた。(写真はリニューアル前のもの)

「藤吉をオープンして8年が経ち、この先もっと商品の魅力を発信するためには、どうしたいかを考えていました。そんな時にSOGAWA BASE出店のお話をいただき、もしSOGAWA BASEが藤吉の商品をより多くのお客様に発信できる場となれば、どれだけの食卓に笑顔を届けられんだろう?と、考えただけでワクワクしました。」

「水だんごも、藤吉で継承してから水だんごパフェを開発して、今では10代〜20代の若い世代が水だんごを食べに魚津に来てくれるようになりました。水だんごも様々な美味しい食べ方があって、それを発信できてゆっくり食べることができる場所が欲しいと思っていたところでした。」

議論の末、SOGAWA BASEではフードセレクトに特化したショップ(以下、富山店)を新たに出店し、魚津市の藤吉(以下、魚津店)は「水だんご」をメインとしたカフェへと大胆にリニューアルすることを決断したという。

「リニューアルすることに対して、地元のお客様の動揺やもしかしたらお叱りを受けるかもしれないと覚悟していました。でも実際は応援の言葉をかけていただくことが多くて驚きました。『寂しいけど、水だんごのカフェも楽しみ。富山にも買い物に行く機会ができるし嬉しい。』、『藤吉さんの選んだ商品なら富山でもやっていけるよ。』と温かいお声がけが本当に嬉しかった。」

妥協せず、美味しいものを届けようという思いが、信頼関係づくりや応援につながっているのかもしれない。

「魚津店と富山店の2店舗で、藤吉は新しいフェーズにチャレンジします。たくさんの食卓へ笑顔を届けられる機会に、ワクワクしています。」

▲現在魚津店で食べられる「水だんごパフェ」。他にもぜんざいなど、アレンジメニューが楽しめる。

「Delicious food with…」
お客様に寄り添った
「美味しい」を追求して

これからオープンする富山店では、これまで魚津店で取り組んできたフードセレクトにさらに磨きをかけるという。

「富山店ではこれまで以上にお客様に寄り添った店づくりを目指します。『Delicious food with…』という言葉をコンセプトに考えており、これは直訳すると、『◯◯◯と美味しいもの』という意味です。」

◯◯◯の部分は例えば家族や友達など、美味しいものを一緒に共有したい人や場面が入るのだという。

「お客様によって、美味しいものを一緒に食べたい相手や場面は様々だと思いますが、そうした様々なシーンを想像し、そこに求められる美味しいものをセレクトしてご提案したいと思っています。たくさんの食卓に笑顔が溢れるような、お手伝いをしたいと考えています。」

▲食卓に欠かせない調味料たち(左)、厳選した一押しのナッツやドライフルーツ(右)

▲あらゆるフードに加え、人や環境に優しい日用品も販売する。

食に対する興味・アンテナが高い印象を受ける藤吉の皆さんだが、富山店で働くのは、どんな方々なのだろう。

「藤吉スタッフの共通点は、食べるのが好きなこと。免許や資格ではなく、単純に食への興味や好奇心が強い人が多いですね。新商品の試食の時は、みんな大喜びで参加します(笑)。だからこそ、商品選定も厳しい目でできますし、接客も気持ちのこもった温かいものになると思います。富山店でも、そういうメンバーで一緒に商品の魅力を発信できると嬉しいです。」