ハイスピードで
成長するチームの
現在進行形

▲代表の本田さん。卓越したリーダーシップを発揮する反面、実は愛嬌のある人物像が魅力だ。

1987年、本田さんの生まれ年に「焼肉ハウス 大将軍」は富山駅前に創業した。本田さんが東京で大学生活を過ごす中、いよいよ就職活動というタイミングで父親から「後を継がないか」と声がかかったことがはじまりだったと振り返る。

「やってみると返事をしたところ、ある日突然父からクレジットカードを渡され『東京の焼肉屋を食べ歩いて、まずは一度気に入った店で勉強しなさい』と。当時の彼女(現在の奥様)と色々回り、その中から“カッコイイ店”を選んでそれぞれでアルバイトをはじめました。(二人が働いた)各店はどちらも店員が肉を焼き、お客様との距離感が近い接客方法。ここでの経験は、今のガネーシャの基礎となっています。」

共に4年半の修行期間を経て、満を持して大将軍を引き継ぐことに。しかしフタを開けてみれば、経営は課題だらけ。20代半ばでトップに立ち、多くのスタッフが自分よりも年上の中で苦労は絶えなかったそうだ。

「例えば富山の焼肉屋はセルフスタイルが主流の中で、店員の『接客サービス』って必要ある?という考えが根強かったんです。お客様にもスタッフにも大事だと思っていることが、なかなか伝わらないもどかしい日々が続きましたね。でも信念をかえずにやり続けることでお客様は徐々に増えていき、理解してもらえたのは嬉しかったです。」

本田さんはサービス面をはじめメニュー内容や価格、スタッフ教育、オペレーション体制、店舗リニューアルなど大胆な改革を矢継ぎ早に実行していく。その中でも一番大切に取り組んできたのが、スタッフの人事評価や働きやすさを変えることだった。

「公平に評価され、結果を出せば還元されるチームにしたいです。そのために本を読み漁り、経営者たちの話を聞いて回り、制度を作っては変更することに、ずっとこだわってきました。会社の数字を共有することや、昇給制度/評価軸を明確にすること、休暇をしっかり取れること。スタッフが会社のためにどんどん積極的に働いてくれるようになったことで、自分のやってきたことの効果を実感しました。」

その後、店舗の多角化にも着手。冒頭に記載した人気店を次々にオープンしていった。それぞれの店舗の誕生エピソードも面白くてためになるものばかりだが、残念ながらここでは綴りきれないため、興味がある方は彼の出版物を待つか直接たずねてみてほしい。

「興味があったらまずやってみないと。その結果、閉店した店舗とかメチャクチャ失敗も多いですがね(笑)その経験からわかったのは、店がオープンした後も『お客様がどう思っているか』を聞き出して、素早く改善し続けることができればうまくいくということ。店のオープン前にあれこれ心配するより、オープンした後の改善次第で決まってくると思っています。」

若いチームだからこそ、経験値が必要。人一倍のスピード感でストイックに、食べ歩きをして学び、良いものを真似し、挑戦と失敗、人との出会いと別れを繰り返しながらすべての経験を糧にしてきた。本田さんは最近、オリジナルなアイデアがひらめくコツを掴みはじめ、自らの進化を実感している。スタッフたちとともに成長する過程で、SHOGUN PIZZAは誕生したのである。

「ピザとバーガーは好物なので、ずっとお店をやりたかった。カレー屋さんも本当はやりたいけどまだ『ココイチ』さんには勝てないのでやりません(笑)。やるなら勝てるイメージがないとね。SHOGUN PIZZAは肉の消費量が減っていく世界の流れも予測して作った業態で、海外にも展開する予定。まずは東京出店、長期的には世界中で300店舗を目指したいです。」

▲SHOGUN PIZZAの名物のひとつ、サラダPIZZA

ピザ・スタンドが贈る
最高のサービスの形を探して

大将軍のアルバイトから入社し、現在7年目となる森田さん。マネージャとして会社全体のブランドイメージやスタッフのサービスレベルの向上に日々奮闘している彼女に、SHOGUN PIZZAの原点をたずねた。

▲数々の店舗を立ち上げ、サービス面の課題改善に取り組む

「さまざまな食のシーンを提案する会社として、ヘルシーで頻繁に訪れたくなるお店を作りたいという思いがありました。焼肉は毎日のように食べるものではなく、またバーガーもジャンクフードというイメージが強い。であれば今回提供するピザはジャンクフードのイメージを覆して、焼肉を食べた次の日にも食べたくなるような商品を目指そう、と。だから肉を使わず野菜をたっぷりと使い、栄養面にも着目しました。」

大将軍では記念日の利用なども含めややフォーマルな場で利用されることも多くあるが、今回のピザ・スタンドは真逆。とにかく気楽にリラックスした気分で過ごしてもらうことを目指している。

「今の富山でピザを食べる時は、イタリア料理店かデリバリーの2択が主流だと思います。ピザをサクッと食べる文化はまだあまりないですが、これからはお酒の利用も含め気軽にピザ・スタンドへ立ち寄る人が増えていってほしい。そのためにはアプリを活用した手軽なオーダー/決済の仕組みづくりなど、お客様が利用しやすい環境を整えていくことが重要だと思っています。」

レストランでもピザ・スタンドでも、人に喜んでもらうことを大事にするスタンスは変わらない。働く人のやりがいにもなる気持ちのいいサービス提供をSHOGUN PIZZAは目指す。実際にスタッフの接客が心地良かったという利用客からのフィードバックも多い。

「ファストフードだからといって、雑な対応は絶対したくない。むしろ『ピザ屋なのに、ここまでしてくれるの!?』というちょっとした感動が、他の店にない価値になると信じています。レストランよりも一人のお客様に対する接客時間が短い分、印象に残るような踏み込んだ表現は必要とも思っています。元気のいい挨拶やお店のストーリーを伝えることなど、基本的な事から実践します!」

▲廃棄処分される食材を活用したサラダもスマホから簡単に注文しておくことができる

「おいしい」の大黒柱として
自分の味を提案する喜び

SHOGUN PIZZAのメニューはすべて、イタリア料理・ピザ作りの経験が長いシェフの小川さんが手掛けている。ガネーシャと小川さんが出会ったことでSHOGUN PIZZAは実現したのだ。

▲小川さんの手捌きを間近でみられるカウンター席も楽しい

「もともと神奈川出身で、全国の様々な料理店で修行をしてきました。ご縁があって富山の店で働いていたのですがちょうど自信もついてきて、地元に戻るか悩みはじめた時に本田さんと出会い、ゼロから一緒にピザ屋をつくってみようと。自分の腕でどこまでいけるか試すいい機会だとも思いました。」

出会った当初は、肉も使うピザ屋の構想だったが、議論を重ねる中で現在の<肉を使わず/体に優しい/日本らしい/薬膳>というコンセプトに至ったそうだ。

「僕自身は肉も好きだし、料理人として美味しい食材はすべて使いたかった。本田さんとは『お客様だって様々なメニューの中から好きな食材を選んで、それぞれが感謝して食べればいいじゃないか』とぶつかったりもしましたね(笑)でも、自分だけでは絶対に設定しない枠や制限があることで、その中からいかに美味しいものを作ろうかと、職人として燃える部分があったりもしたんです。」

小川さんこだわりの「肉ピザ」は、特別なコースや毎月29日(ニクの日)のメニューとして限定登場しているのでチェックしてもらいたい。野菜を中心とした多彩なメニューづくりはもちろんのこと、ピザの基本となる生地もグルテンが極力抑えられるよう作られている。

「コンセプトに合って、なおかつ美味しい生地を作るために全国中のいろいろなピザ屋を調べました。中でも博多にあるピザ屋がイメージと近かったので、その配合を勉強させてもらい、さらに形や厚みなどの改良を重ね、現在の生地が仕上がっています。最終的には完全グルテンフリーの生地を目指していますが、これがなかなか難しい。日々勉強ですね。」

▲大豆粉や米粉を使った配合の生地。ふんわりモチモチで美味。

ピザの「耳」の食べ残しが少ないと、熱心な生地づくりの効果を実感している、と小川さん。確かに食べた感覚はお腹に重さはないものの食べ応えがあり、腹持ちもいい。

「これまでも特定のテーマのもとで料理を作る事はありましたが、栄養価をより意識して食材を扱うという部分は自分にとって挑戦的な試み。自分で創作した味を直接お客様に出せることは、やりがいの一つとなっています。ガネーシャは横のつながりも広いので、全国の料理人と出会い交流することも楽しく感じられています」

仲間の情熱を支え合う
未来のチーム像

『ガネーシャ』という会社で働くことについて、森田さんはこう語る。

「自分の個性や長所を活かしやすいチームだと思います。サービスや調理の基礎は研修を通して学んでもらいますが、早い段階で任せられる仕事も多いです。それを重荷と感じず、新しいことにワクワクしてトライしていって欲しいです。スピード感が早く、自分で考えなきゃいけない場面も多いのですが、将来独立したい人には向いているかも。サービスマンとして人を喜ばせることが好きで、かつ情熱的な人と一緒に働きたいですね。」

小川さんも将来はガネーシャで学んだことを活かして地元で自分の店を持ちたいと考える一人。SHOGUN PIZAAを世界に拡げていく仲間として、ピザが好きな料理長候補を募集している。

「料理人は食材や料理に対して、素直に真摯に向き合えることが大事だと思っています。そしてピザの味についてもどんどん自分の経験値を引き継いでいきたい。SHOGUN PIZZAが求めるのは、まず多店舗展開を軌道にのせるというフェーズで、役割を一緒にまっとうできる人です。」

本田さんはガネーシャグループの共通点について、“変化に強い人が多いこと”と話す。スタッフが独立を目指すことについても好意的に受け止めている。

「新型コロナでピンチの時期はトップダウンでスピーディに、業務内容をはじめ様々な対応を行う必要があります。この変化を乗り越えたスタッフたちとはさらに成長できたと感じています。今後は社会全体としてこれまで当たり前だった組織の考え方というものは薄れていくでしょう。みんなが副業し独立する時はあらゆる形で応援したいし、ガネーシャにも長く協力してもらえるチームでありたいと思っています」

本田さんは今日も現場を周りながら、いい仕事は次々に採用し評価し、会社の成長を楽しんでいる。

「店が成功することやお客様が喜ぶことも確かに嬉しい。そしてガネーシャのメンバーが成長していく姿、チームが強くなっていくことは本当に面白い。ガネーシャとは、誰かの夢を叶えるゾウの神様。昔ダメだった自分を変えてくれた上司や社長がいて、今の自分がある。一緒に働くスタッフの人生が、ポジティブに変化していくような会社になることが目標です。」

▲様々なジャンルのプロフェッショナルとして活躍するガネーシャのチームメンバーたち。