富山市八尾町で愛される老舗を受け継ぐ挑戦
「飲食店は本当に難しくて大変です。卸売業とは全く違う厳しさをこの5年で改めて思い知りました。けれどその分直接お客様の顔も見え、喜びも多い仕事。次々新しい難題にぶつかりますが、飲食店の皆様から学ばせてもらうことも増え、卸売業のお客様にもより共感できるようになったことは、会社にとってプラスの経験値になっています。」と代表の河田さんは語ります。
そんな中、縁あって肉を卸していた「焼肉 三千里」のマスターから突然「持病が悪化し先が長くない。俺の味、残してくれんか。」と話が舞い込みました。長く地元客に愛される名店、仕事に厳しいマスターの後を継ぐこと。重圧を感じ迷いながらも、尊敬する仕事人の味を残し広めることは自分と会社の使命だと感じ「やらせてください」とすぐさま決断をしたそうです。
間も無く河田さんは2ヶ月間、毎日マスターと厨房で過ごし味を引き継ぎました。教わることに一区切りがついた矢先、マスターは息を引き取られたそうです。生前からの約束でK-MEATは八尾本店を引き継ぎ、またSOGAWA BASEと名古屋の自社店舗にも「焼肉 三千里」の看板を掲げ、切磋琢磨を続けています。
「古くからのお客様からは、感謝の声も味が変わってしまったとお叱りを受ける声もいただきます。すぐにマスターと同じにはなかなかできないこともありますが、自分にとっても三千里とマスターの味は人生で出会った宝物です。会社のみんなとやり抜きたいと思っています。」
自慢の肉をもっと高めてくれる特製の味噌ダレ
「焼肉 三千里」のメニューはナムルやキムチ、冷麺・ビビンバなどすべてがこだわりの素材・調味料・レシピで作られ、その中でも河田さんは「肉のタレ」に惚れ込んでいます。北海道出身のマスターが両親から受け継ぎ改良を重ねた揉みダレや漬けダレは、高級和牛から海外の肉肉しい牛肉まで、不思議に肉の味を高めてくれるそう。
「特製タレは塩や醤油ベースもオススメですが、中でも『味噌タレ』は他店にない個性と魅力があると思っています。表現が難しいですが、和牛の脂にもよく合い、ご飯も酒もさらに進むような、クセになる味わい。もちろん美味しい肉はそのまま極力味付けしないでという美学や意見もありますが、自慢の和牛肉がより豊かに体験いただけるので、ぜひ一度試して見てください。」
今後「三千里」は県東部での事業展開も考えておられるそう。
「飲食業では三千里とマスターの味を磨き広めることを続けます。卸売業でも新しい出会い、展開が次々に増えてきました。チャレンジ・行動の数だけ出会いが増え、受け取る思いも増えていきます。ずっと忙しく働けることはありがたいし、ヒリヒリするし、でもワクワクしています。」
常に前向きな河田さんのパワーの源でもある自慢の焼肉、ぜひご賞味ください。